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ナンバー吾
[No.8] 2007-05-23 Wed 17:14
ナンバー吾』 評価:★★★★☆

著者:松本大洋

京都散策に明け暮れていた大学一年生の頃、この著者の作品に初めて出会いました。
それが今、映画化で話題となっている『鉄コン筋クリート』なのですが、その『鉄コン』を読んだ時に、「人も風景も写実的で正確な描写とは正反対の特異な絵なのに、痛々しいぐらいにシリアスに人の内面を描くよなぁ。」と衝撃的だったことを覚えています。
初めて表紙を見たときも、第一印象は「オモチャ的」です。ヴィレッジバンガードで手に取ったからかもしれませんが。
『ナンバー吾(ファイブ。主人公の名前であるが通称。本名はユーリ。)』に関しても、そのシリアスさに更にハードボイルドまでプラスされており、時折見せるPOPな描写がカウンターウェイトの様な役割をしているのでしょう。

ちなみにそのストーリーは、最新科学技術で生み出された肉体的・頭脳的に人間を超えた新人類で構成される超人組織『虹組』の1人である『ナンバー吾』が恋した女性『マトリョーシカ』をさらって同組から逃亡。
その吾と吾を追うその他の虹組のメンバーとの命がけの戦いのお話です。

私の知人の中には本作を「この人はいわゆる下手ウマ。」と評するアーティストの卵も居れば、「一コマ一コマをポスターにできるぐらい芸術性が高い。」と評するデザイナーも居ました。
捕らえ方が人それぞれになるぐらい自由度の高い絵と、それ故にまとまりのない散乱したストーリーなのかと思いきや、一まとまりの強烈なメッセージ性のあるストーリーであるため、そのギャップに引き込まれて、気づいた時には一気に読破していました。

著者はやはりその画風で有名な方ですが、作品ではむしろそのメッセージ性に拘っているように感じます。
心の動き、心の闇、悲哀といった人間描写が『ナンバー吾』には特に多く、思わず感慨に耽ります。
いずれにせよ、よくできた作品です。
こういう作品を読むと日本の漫画家の知的水準に関心しますね。
漫画というサブカルチャー分野の中で、哲学や学問というハイカルチャーを展開しているものは決して少なくありません。
著者はその中の一人であると考えられます。
これらの秀逸な作品群の中には、下手をすると「これ学校の情操教育とかで使えるんじゃないか?」と思うものさえ存在します。
そういった作品にたまたま出会うと「おお、お宝発見!」と思ってしまうのです。

といっても全く意味のないものも好きなんですが。(笑)

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