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墨攻
[No.12] 2007-05-23 Wed 18:53
墨攻』 評価:★★☆☆☆

監 督:ジェイコブ・C・L・チャン
出 演:アンディ・ラウアン・ソンギワン・チーウェンファン・ビンビンウー・チーロン
製作年:2006年
製作国:中国、日本、香港、韓国
時 間:133分
公開日:2007/2/03~

インファナル・アフェア』で、アンディ・ラウが良い味を出していたので観に行ってみました。(トニー・レオンの方が好きですが…)

墨子の教えに従う思想家集団・墨家に属する革離(アンディ・ラウ)という墨者のお話です。
革離は墨子の侵略戦争を否定するが防衛戦争は否定しない非戦論的教え『非攻』に基づき、腐敗した墨家の意に背いて『』(紀元前403年~紀元前228年。により滅ぼされる。)の侵攻により圧倒的に劣勢で危機的状況にある『』(紀元前1100年ごろ~紀元前222年)の『梁城』(人口4千人ほどの小さな国。)に単身加勢することになります。

作品の中で墨者は防衛戦・篭城戦についての理論面の専門家、言うなれば実戦にも参加する防衛戦略コンサルタントの様な役割を担っています。
墨子の思想に基づいているワケですから完全にそれだけが専門ということではありませんが、革離は墨家の中でも特に実戦理論のスペシャリストであると考えられます。

映画の原作となる日本の小説や漫画のコンセプトがとてもおもしろいので、作品の作り方次第ではとんでもない名作になっていたのではないかと思うのですが…。
作業の様に敵兵を殺害し頭数を減らしていくという合理性を追求した革離の戦法を、作品中でも感傷的な描写を抑え主人公に機械的に行なわせることで最終的に物資と人命を消費するばかりの建設的ではない戦争の空しさに繋げていくことを意図したストーリーなのでしょうが、どうもそれが裏目に出ている観があり、戦闘面の派手さ以外のエンターテイメント性が欠けてしまっていて、淡々とスクリーンを眺め続けるだけの結果になっていたように感じます。
つまり人間描写の緩急が少なく感情移入がし難いのです。
そこで乾いた機械的な面に人間的な潤いを注入するため恋愛の要素を盛り込んだのでしょうが、あんまり必要なかったかも…です。
ヒロインの逸悦(ファン・ビンビン)が持ち前のアニメ声もあってやたらと可愛いんですけどね。
逸悦は女性の武官として戦闘に赴きますが、役柄と女優のキャラクターがちょっと違うんでないかい?という配役への疑問もあります。
結果、革離と逸悦の恋模様がまるでおままごとの様です。
壮大な物語だけに梁王もその息子も趙の将軍も立たせるべきキャラクターが2時間13分の尺の中にあっては人物描写が中途半端になるのは否めないのですが…。
だからこそラブロマンスの要素は要らなかったんじゃないかなぁ。

ただ、「今は梁城のために戦うが、もし趙から依頼されれば今度は趙のために防衛戦を行なう。」という非戦論者でありながら戦火を長引かせて結果的に死者を増やすことが予想できるこの革離のセリフは、合理性を追求する人物が思想の前では目的と手段を合理的に判断できなくなってしまう人間ならではの矛盾を感じ取ることができ、とても印象に残っています。

人の内面を題材にする作品は説教臭い哲学問答になりがちですが、その辺は抑制されており好印象で比較的に良作でした。

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