ブロプレ! 毎度おなじみ有興人2.0によるサブカル世代のための文化的無節操Blog!

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エンド・オブ・ザ・ワールド
[No.64] 2007-07-31 Tue 20:32
エンド・オブ・ザ・ワールド』 評価:★★★☆☆

監 督:ラッセル・マルケイ
出 演:アーマンド・アサンテレイチェル・ウォードブライアン・ブラウングラント・バウラー
製作国:アメリカ、オーストラリア
製作年:2000年
時 間:131分

とてつもなくテンションが下がってしまう作品です。
良く言えば「考えさせられる」というところでしょうか。
イギリス人小説家ネビル・シュートの『渚にて』を映画化した問題作です。

台湾を巡り発生したアメリカと中国の武力衝突をきっかけに第三次世界大戦が勃発。
その際に使用された核爆弾により北半球は放射能で汚染され全滅する。
海中での任務が故に生き残ったアメリカ海軍の原子力潜水艦は、核の放射能が到達していない南半球のオーストラリアのメルボルンに寄港し身を置くが、次第に北半球の放射能は南半球にも南下し始め…。

というようなお話。
この作品が観る者をどうしようもなく悲しくさせてしまう理由はとても単純です。
『一片の救いもない』から。
基本的な決まりごとはたった一つ。死ぬしかない。
選択可能なものは『死に方』だけ。
情け容赦ない放射能の猛威に倒れていく者。
放射能による苦悶の死を逃れるために家族で服毒自殺を選ぶ者。
徐々に生命力を失いつつも、可能な限り生きようとする者。
次第に生命の活気を失っていく地上を淡々と捉え続けるのみなのです。
ストーリーの重要部分に関わることなので皆まで言えませんが、ほんの少しの希望の火すら灯りません。
観る者の心を滅多打ち。
こういう映画はそうそう存在しません。

単に異色の作品として観る価値は十分にあります。
また、この作品の衝撃に言葉を失うというようなレビューもたくさん見かけますので、製作サイドがこの作品で意図したものも達成されているのではないでしょうか。

映画で凹んでみたい人は是非どうぞ。
こうはなって欲しくないという思いを込めて★は3つだけ。
さりげなくオススメの一本かも。

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ドロヘドロ
[No.63] 2007-07-26 Thu 20:53
ドロヘドロ』 評価:★★★★★

著者:林田球

わかる人にはわかる、わからない人にはわからない一文でこの作品を表現すると、

『魔法とワニと餃子の物語』

以上です。
これだけです。
むしろこれ以上内容に関しては説明文を書かない方が、この作品の良さを表現できるかもしれません。
色んな要素が一本に繋がっていく形で本筋のストーリーが存在するので、統一感がないことはないのですが、この作品のおもしろさは、その本筋のストーリーとは別の部分で展開される『遊び』の部分です。
『本筋ではないけれども、全体の一部として作品の世界観を補完する設定』というものが、私にとって心躍るものとなります。
ただ単に私がゾンビ好きというだけかもしれませんが…。(笑)

初期の殺伐とした絵のタッチとそこから来る世界観は特に素晴らしく怪しい。
最近は若干、絵がポップになってきたので「うーん」という感じですが、世界観の独特さは変わりません。
著者は女性ですが、はっきり言って「本当に女性が描いているのだろうか」と思ってしまいます。
ただ、女性的視野の広さ(細かいところに目が届く)があり、登場する中心的キャラクター達もどことなく大らかさを感じます。
著者自信が自分の作り上げたキャラクター達を愛しているんだろうなぁというのが私の感想です。

この『ドロヘドロ』に関しては、ここ最近になって、やっと本作を取り上げたホームページやブログが増え始めたように感じます。
私が始めてwebで検索してみた時は、まだ一巻しか発売されていなかったためか、いくつかのサイトがチラホラ存在するだけでした。
やっと知名度が出始めたのか…嬉しい限りです。
良い作品は沢山の人に触れてもらいたいものです。

変わった漫画を読みたい!と思ったときにはオススメの作品です。

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うしおととら
[No.62] 2007-07-26 Thu 20:52
うしおととら』 評価:★★★★★

著者:藤田和日郎

果たして説明が必要でしょうか?
早く本題に入りたいので、極簡単説明で失礼します。

お寺の息子さん(息子さんの名前は『蒼月潮』。中学生。)が、自宅の蔵に地下があることを発見。
そこには肩に槍が刺さり、そのまま岩(壁?)に縫い止められたバケモノさんが!?
(バケモノさんの名前は『長飛丸』。黄金の鬣を持ち、身体に黒い模様があることから、通称『とら』。『字伏』とも呼ばれています。)
その槍『獣の槍』を抜いてしまった潮と解き放たれたとらのヘンテコ友情化物退治のお話。

以上です。

おもしろい…。めちゃくちゃ好きです。
初めて読んだのは中学生の頃。
そして初めて漫画で泣かされたのもこの作品。
熱い!この男の子心をくすぐる熱さはなんだ!?

本当に恥ずかしくなるぐらい青臭い主人公を中心にストーリーが展開されるに、読み終わるととても清々しい気持ちになるという癒し系ならぬ、清涼系ストーリー。
世の中、潮さんの様な人ばかりだったら暑苦しくもなんて気持ちの良い世界だろうか。
他人のために何かをするということをこんなに嫌味もなくやってのけてしまう潮さんは、とても中学生とは思えない様な真っ直ぐで動じない心を持っています。
何も知らない無知であるが故の強さではなく、全て知った上でも尚も戦おうとするその強さは、大人でも感動を誘います。
去年のことですが、今更ながら文庫版を買いなおしてしまいました。(中学生当時に買い揃えた単行本は捨てられてしまったのです…。)
名作はいつまでたっても色褪せることはないというのはまさしくこのことです。

また、著者・藤田和日郎氏の作画は、美しい線ではなく、まるで殴り描いたかの様な力強い絵で、潮さんの性格が漫画全体に滲み出したかの様です。
著者もかなり熱い人なのですね。
白面さんという大妖を打ち滅ぼすという最大の目標のため潮さんの旅が始まっていくのですが、その過程において様々なイベントが発生します。
藤田氏はその一つ一つのストーリーにも出し惜しみすることなく、己の魂を注ぎ込んで描き上げているように感じます。
余計なお世話ですが『藤田さん、残りの寿命は大丈夫だろうか』と心配してしまいますね。

著者の『からくりサーカス』も人気の様子。
情熱は簡単には枯渇しないんですねぇ。

『もう…食ったさ…ハラァ…いっぱいだ』…(涙)

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Vフォー・ヴェンデッタ
[No.61] 2007-07-26 Thu 20:49
Vフォー・ヴェンデッタ』 評価:★★★★★

監 督:ジェームス・マクティーグ
出 演:ナタリー・ポートマンヒューゴ・ウィーヴィングスティーヴン・レイジョン・ハート
製作国:アメリカ、ドイツ
製作年:2005年
時 間:132分

さて、この映画、何度も観ています。
感化された映画は何度も観てしまうということは多くの人に経験があるのではないでしょうか。

それにしても『バタリアン』を四度も借り直して観ている自分は、少しずれているかもしれませんが…(汗) この映画、簡単に言うと、極度に管理統制化された極右国家の打倒を目論む仮面の男と、その二極の世界(統制の国家と自由の男)の間で肉体の死の恐怖から逃れ脱皮する少女・イヴィー(ナタリー・ポートマン)のお話です。
はい、超絶簡単説明ですね。

仮面の男は常に気高く振る舞い、ジョン・ロックばりに革命権を訴えますが、実行手段が国家側と同じ暴力と宣伝戦であったり、ターゲットが怨恨に根ざすものであったりと、どこか衝動的で人間臭く、仮面に表情すら感じます。
顔が出てないのにマトリクスの時より良いですよ。ヒューゴ・ウィーヴィング。
ナタリー・ポートマンも『レオン』の時の面影のまま、喜怒哀楽を素直に表情に出すことが似合う女性に成長したなぁと関心。

で、この映画、何が好きかと言いますと、『意志の強さ』です。仮面の男とイヴィーを指しています。
ある程度まで組織化された環境に切り込む作業というのは本当にしんどいものです。
大抵の場合、その中には目に見えない慣性力が働いていて、「今までそうあったから今もそうで、これからもそうであり続ける」強力な力があり、尚且つ恐怖で裏打ちされていたら抵抗のしようなどなく感じます。こういう環境では、人間はアドルフ・アイヒマンで居た方が楽で安全なのでしょう。
なのに仮面の男はそんな世界を打倒しようとするわけです。
作品の中でも象徴的に使われていた『理念』という言葉に突き動かされて。

初見の感動は今でも忘れません。
仮面の男、『V』の熱いハートは何か眠っているものを呼び覚ましてくれる感覚があります。
というわけで、ぜひぜひご覧になることをお勧めします。

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鉄コン筋クリート
[No.60] 2007-07-26 Thu 20:46
鉄コン筋クリート』 評価:★★★★★

著者:松本大洋

衝撃の出会いでしたね~。
混沌とした街『宝町』で逞しくも野良猫の様に生きる、純粋で暴力的な『クロ』と、無垢で神秘的な『シロ』のチビッ子コンビを描いた作品です。
クロとシロという主人公から海外では『BLACK&WHITE』のタイトルで販売されているようで、彼ら二人は私の携帯の待ち受け画面になっていたりもします。

チビッ子コンビは、一部の良き理解者を除けば親も仲間もなく、彼らが自己のテリトリーと主張する宝町でカツアゲやスリ・強盗などを行いながら生活しています。
しかしながら、そこいらのチンピラと違っていて、お互いが補完しあって生きているような純粋さがあります。
クロはシロが居なければ舵を失い、シロはクロが居なければ過酷な宝町では生きていけません。
著者は、そんな彼らが命がけで逞しく生きていく姿を、人の心に潜む闇と共に描いています。

脇を固めるキャラクター達がまた魅力的で、
通称『ネズミ』と呼ばれる占い大好きの筋者『鈴木』
鈴木の舎弟で血気盛んなヤクザ『木村』
ぶっきらぼうでも根は優しいベテラン刑事『藤村』
銃を撃ちたいというだけでキャリアではなく現場の刑事になった『沢田』
反社会的な組織に属し捻じ曲がった性格で宝町に悪意を持ち込んだ『蛇』
…とクセのある登場人物で溢れかえっています。

ちなみに『ネズミ』こと鈴木氏がカッコイイことカッコイイこと。

「女房、子供は大切にな。大事な事なんだよ。」

今から殺される男が自分を殺そうとしている男に向かって発した言葉です。
これはすごいセリフでした。

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カムイ伝
[No.59] 2007-07-26 Thu 20:45
カムイ伝』 評価:★★★★★

著者:白土三平

言わずと知れた階級闘争歴史巨編です。
なんと現時点においても未完というすさまじい作品です。
基本的に徳川の治世に非人として産まれたカムイを主人公としているのですが、いつのころからか正助という下人が実質的な主人公と化しています。

徳川の治世、主人公『カムイ』は非人という最下級の身分を嫌がり、「強くなれば運命を変えられる」と信じ、忍の世界に足を踏み入れます。
ここからストーリーが始まるのですが、単にストーリーを要約しようとしても、この時代の多くの人々の生き様を、最下層の人間の視点から、農民の視点から、武士の視点、商人の視点から、忍の視点から…と封建的社会における人間ドラマを様々な角度から展開しているので、とにかく読んでみてくれとしか言えません。
すごいです。

また、色んな意味で「すごい」作品で、物語の開始後しばらくするといきなり主人公が死にます。
当然、「ぇ゛え゛!?」となってしまうのですが、カムイは双子らしく、兄が主人公という役割を引き継ぐことになります。
その後も、とんでもない戦いもあれば、徳川体制をひっくり返す真実や、抑圧される人々の死に物狂いの生き様など、本当に深いです。
しっかりと男の子心をくすぐってくれる演出もあります。
本作を読んだことがなくても『飯綱落し』(いづなおとし)や『変移抜刀霞斬り』(へんいばっとうかすみぎり)という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
技名だけが一人歩きするぐらい有名なのですが、どちらも忍となったカムイの得意技なのです。
これら忍術を駆使した一風変わった死闘も見物です。

そして最も賞賛されるべきこと。
それは、本作が日本において禁忌とされている部落問題に真っ向から向かい合ったことです。
部落史の教材にすら使えそうな予感ですね。
大学の授業に出席もせずに『破戒』を読んだり、図書館で部落史を勉強しまくった頃が懐かしいですなぁ。

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ベルセルク
[No.58] 2007-07-23 Mon 00:25
ベルセルク』 評価:★★★★☆

著者:三浦建太郎

説明の必要などありませんよね。
いやぁ、しかし長い。長すぎます。
この作品、本当に終わるのでしょうか。

作品自体は、ダーク・ファンタジー。
剣と魔法の世界がドラスティックに描かれる作品で、巨漢の主人公(ガッツ)が身の丈ほどもある超巨大な大剣を振り回して戦う姿は余りにも有名です。
その姿は、正しく『ベルセルク』(狂戦士)に他なりません。
この、ありえない大剣を振り回すという設定は数多くの作品に影響を与えており、『ベルセルク』は今や押しも押されぬファンタジー漫画の金字塔となりました。

本作は、物語の途中に半端じゃなく長い『回想』(剣士である主人公が若かりし頃に所属していた傭兵組織『鷹の団』についての回想)が存在し、長い物語を通して最も評価の高い部分となっています。
この回想部分については、魔法の様なファンタジー要素は成りを潜めており、剣だけで過酷な環境を生き抜く主人公が描かれているため、私もその男臭いストーリーに熱くなったものでした。
また、回想部の終焉を飾る最大の見せ場『蝕』というイベントでは、「もう、これを描きたかったんじゃないの?三浦さん。」てなもんです。
実際に作品を見てもらった方が良いと思うので詳しくは説明しませんが、この『蝕』という死と情念渦巻く阿鼻叫喚の一大イベントは、その救いの無さに私もびっくりでした。

というわけで、とても素晴らしい作品です。
でも、☆四つ。
理由は簡単。
1989年から始まって、今が2007年で単行本は31巻、未だ継続中。
一向にフィナーレに向う雰囲気がないんだもんなぁ。(汗)

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ゴースト・オブ・マーズ
[No.57] 2007-07-19 Thu 18:49
ゴースト・オブ・マーズ』 評価:★★☆☆☆

監 督:ジョン・カーペンター
出 演:ナターシャ・ヘンストリッジアイス・キューブクレア・デュバルパム・グリアージェイスン・ステイサム
製作国:アメリカ
製作年:2001年
時 間:98分

『ゴースト』続きということで、奇才ジョン・カーペンター監督です。
初めて『遊星からの物体X』を観た時には「なんだ、この監督はー!?」と思ったものです。
もう、アングラ臭が漂いまくり。
本作も、なんだかふざけてるんじゃないのかと思う様なアングラ祭りでした。

西暦2176年、地球人は火星に植民地をつくり、天然資源の採掘を行っていた。
しかし、鉱山町のシャイニング渓谷は、町の人間が火星先住民族の亡霊の封印を解いてしまったが故にゴーストタウンと化していたのだ。
亡霊たちに殺されず生き残っていたのは牢獄に居た犯罪者だけ。
そんな町に訪れた主人公、メラニー警部補(ナスターシャ・ヘンストリッジ)。
メラニーは少ない仲間や犯罪者達と共に、開放されたゴーストと死闘を繰り広げる。

バカです。
火星人だわ、亡霊だわで2重にぶっとんでいます。
はっきり言ってしまうと、舞台が火星である必要はなかった様な…。
地球上ではなく、赤く荒涼とした火星というビジュアル的にぶっちぎれた舞台にすることで、パンクなホラーを作りたかったのでしょうか。
それはそれでいいとして、とりあえず、「わー」と襲ってきて「やー」っと戦うというB級モロ出し感。
他に説明するとこないんですよね…。
仲間達はやたら激しい死に方をしてくれますので、スプラッターが好きなら少しぐらいは食指が動くかな???

ジョン・カーペンター監督作品は好奇心をくすぐってくれるものが多いのですが、本作に関しては、やっつけ仕事なのかもしれません。(笑)

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13ゴースト
[No.56] 2007-07-17 Tue 17:55
13ゴースト』 評価:★★☆☆☆

監 督:スティーヴ・ベック
出 演:トニー・シャルーブエンベス・デイヴィッツデニス・ラフキン
製作国:アメリカ、カナダ
製作年:2001年
時 間:91分

最初から大作を観ようと思わなければ、案外おもしろいです。
血みどろながら個性的なゴースト達が登場し、閉鎖された空間で大暴れ。
気軽に観ることができるホラーで、製作に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督の名があり、結構びっくりです。

大富豪の祖父が事故で死亡した主人公。
遺産を相続することになった主人公は家族と彼の残した豪邸を訪れる。
しかし、複雑な仕掛けが儲けられた屋敷内には、生前に祖父が全米各地から狩り集めた凶悪なゴーストたち封じられていた。。。

こんな感じなのですが、とりあえず、私は全く恐怖を感じませんでした。
ヘタをすればゴースト達にちょっと愛嬌があります。
彼らは生前、何らかの特殊な過去を持つ者達のようで、そこがあまり言及されていなかったのも残念。
どこか観たことのあるようなシーンも満載かも?

主人公の祖父がゴースト達を一箇所に集めたのにはもちろん理由があります。
当然それは観てのお楽しみ。

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アウトサイダー
[No.55] 2007-07-13 Fri 08:52
アウトサイダー』 評価:★★☆☆☆

著者:田邊剛
文学を原作とした翻案作品で、チェーホフなんて渋い原作を選択しています。
基本的には、純粋な和製&洋物ホラーと写実的なシュールレアリズム(『写実的であるが故に機械的な現実感が恐ろしい』=『ある種ホラー』という捉え方?)を含むため異色短編集という感じですが、全体としてホラー作品のカテゴリーに属すると考えられます。

とても評価の難しい作品です。
勧善懲悪もののわかりやすい作品なら別ですが、文学作品を漫画にしてしまうと得てして何だかよくわからない作品に感じることがあるのですよね。
本来見えないもの、見えないが故に想像するものとして完成していたものを可視化するワケですから。
海外文学を原作にしたものと、上田秋成の『雨月物語』にヒントを得た(「?」です。ご本人は「難しすぎてわからなかった」とおっしゃっていますが。)作品が詰め込まれているようなのですが、少し個性に乏しいような気もします。
これは、著者の田邊剛氏が若さのわりにとても真面目な方なのかも…というイメージを受ける理由に起因するのかもしれません。

画の線自体もインパクトがあるものではなく(わかりやすく言えば『ベルセルク』とは正反対(笑))、とても華奢な感じであるのでコアなイメージは受けません。
逆に言えばコアなファンには物足りないかも???

著者はまだデビューして間もないようですが、将来、すごいものを描くかも…。

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ヒストリー・オブ・バイオレンス
[No.54] 2007-07-10 Tue 18:09
ヒストリー・オブ・バイオレンス』 評価:★★★☆☆

監 督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演者:ヴィゴ・モーテンセンマリア・ベロエド・ハリスウィリアム・ハートアシュトン・ホームズハイディ・ヘイズピーター・マクニール
製作国:カナダ、アメリカ
時 間:96分
公 開:2006/3/11~

ヴィゴ・モーテンセンやエド・ハリスという魅力的な俳優を揃えたクローネンバーグ監督にしては比較的暗部の薄い作品です。
といっても相変わらず負に重きを置いていますけど。
実際に観たのはかなり前になるのですが、先日、たまたまテレビで『ザ・ロック』を放映していたので、思わず思い出してしまいました。
エド・ハリスが好きなんです。
そんな彼を簡単に昇天させてしまうのがクローネンバーグ監督のすごいところ。(笑)
ちなみにコミックの原作が存在しています。

アメリカのインディアナ州の田舎町にある小さな飲食店のオーナー、トム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、妻、息子、娘とともに穏やかな日々を送っていた。
そんなある日、トムの店が強盗に襲われるが、トムは驚くべき身のこなしで2人を撃退する。それから数日後、フォガティ(エド・ハリス)と名乗るマフィアが店に現われ、「トムの本名はジョーイ・キューザックで、マフィアのボス、リッチー・キューザック(ウィリアム・ハート)の弟だ」と主張し、トムがこれを否定したことを契機に一家につきまとうようになる。
果たしてトムには本当にそんな過去があるのだろうか…。

こんな感じです。
原作が別にある作品なので、クローネンバーグ監督独特のビジュアル的グチャグチャ感(笑)は鳴りを潜めています。
しかし、合理的なシーンの連続(「ストーリーを追っかけるためだけの流れ」と言いかえればいいでしょうか。)ばかりではなく、普通な動きを何の特徴も持たせずにカメラに収めるという独特の間があります。
ビートたけし監督作品のような間かも???
日常においては、あくまで『平凡な店の親父』たるモーテンセンを演出したいのかもしれません。
ポイントでは激しいが、基本は静かな映画。そんなイメージです。

一人でポケッと観るには丁度良いです。

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竹光侍
[No.53] 2007-07-05 Thu 00:17
竹光侍』 評価:★★★☆☆

原作:永福一成 作画:松本大洋

これはまた奇妙奇天烈です。
松本大洋の画が時代劇に重なるとこうなるのか。
ハードボイルドな作品は元々お得意の様なので、侍の刹那的な『生き死に』に関しても得意分野なのかもしれません。
ここ最近、時代劇の常識を覆すような映像作品や漫画(『五条霊戦記』、『座頭市』、『あずみ』、『バカボンド』など)が多く存在しますが、この『竹光侍』の様な切り口もアリですね。
原作は福永一成氏(松本氏の元アシスタントとのこと。)であったとしても、切り口がまんま『松本大洋』なので、最初から妖刀・松本大洋でバッサリと切り込むことが前提の作品だったのでしょう。
彼が絡むだけに別の意味で『魅せる作品』となります。

江戸にやってきた流れ者の武士『瀬能宗一郎』を中心として展開されるストーリーで、普段は気が良く、心優しい彼に見え隠れする負の部分が重大なポイントとなるようです。
普段はお寺で子供達に勉学を教える彼は、温厚ながら非常に腕の立つ武士ではあるものの、己の内にバケモノを飼い込んでいる様子。
新しく住み着いた江戸の町では、心優しく親切な仲間達に囲まれて、時にはいざこざに巻き込まれながらも平穏に暮らしていたのだが…。

というわけで、現在、継続中の作品なのでこの先はわかりません。
この手の「特異で飛び抜けた力にとり憑かれる人間」の話は決して少なくありませんので、松本大洋の画と独特のコマ割り、ユーモアのあるセリフ群でなければ、単なる普通の時代劇になってしまうような気がしないでもありません。
それでも、アートな時代劇という独特の表現は一見に値する(「やはり、それだけでも作品の質は向上してしまうのだな」と驚きます)ので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

ここに来て、松本氏の画がとてもスタイリッシュになったように感じますが、これは作品に特徴を持たせようとしているのか、何かしらの心境の変化なのか、漫画によくある自分の画の到達点なのか…興味深いところです。

猫が申しますにはその男血腥いのだそうです。

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ランド・オブ・サ・デッド
[No.52] 2007-07-02 Mon 00:50
ランド・オブ・サ・デッド』 評価:★★☆☆☆

監 督:ジョージ・A・ロメロ
出 演:デニス・ホッパージョン・レグイザモアーシア・アルジェントユージン・クラーク
製作年:2005年
製作国:カナダ、アメリカ、フランス
時 間:93分
公開日:2005/8/27~2005/09/30

そして「またゾンビかよ!」みたいな。
不朽の名作『ゾンビ』のザック・スナイダー監督によるリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』の続編みたいな、そうでもないような作品です。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』では現代感を取り入れ、ビジュアルクオリティも向上した正統な『ゾンビ』のリメイクでしたが、『ランド・オブ・サ・デッド』は少しネタの領域に踏み込んでいるかもしれません。

ゾンビで溢れかえったアメリカ。富裕層は管理され隔離された豊かな物資で溢れる施設に身を置き、貧困層は常にゾンビに襲われる危険に身を晒しながら有刺鉄線で隔離された地域で集団で生活しており、そんな危険な世界でゾンビ狩りを生業とする者達を中心にストーリーが展開されます。

しかし、ロメロ監督、自分が元祖だからってやってくれました。
とうとうゾンビにコミュニケーションを取らせやがった…。(ここでは『バタリアン』の存在は無視しましょう。ロメロ監督でもありません。)
冒頭でゾンビがトランペット?を吹いてるところまでは笑えて良かったのですけど、「ウォ、ウガ!」とか言いながら話してます。ハゲのゾンビが。
コイツ、銃まで撃ちます。
もうこれって生きている人と変わらないじゃないか!(涙)

コアなファンにとって賞賛すべきところは、カニバリズム(食人風俗)なシーンがあるところだそうですが、私はあまりそこには興味がないのですよね。
こんなにネタ化してしまうと、もうゾンビじゃないような…。
ゾンビの気をそらすために使われる道具が花火という設定なんてアホらしくて良かったんですけどね。
ポカーンと口を開けて「あ゛ぁ゛?」という感じで眺めてる姿も風流なんです。

とまぁ、こんな感じですのでゾンビ映画を観てみたいのだけど怖くて観れないという方には丁度良いかもしれません。

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