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荒川アンダーザブリッジ
[No.155] 2009-05-19 Tue 00:42
荒川アンダーザブリッジ』 評価:★★★★★

著者:中村光

久しぶりに「集めよう」と思った本に出会いました。
いい感じに脱力していて、いい感じに味のあるキャラクター達がたくさん。
しかしまぁ、私の買う本は、なんで全部ヴィレッジバンガードぐらいでしか揃わないんでしょう…。

基本、荒川の河川敷に住む電波系ホームレスの方々(中心はヒロインの「ニノ」。)と、超勝ち組の財閥御曹司(主人公である市ノ宮行。あだ名は「リクルート」。)を取巻くお話。
一応、ギャグ漫画に片足を突っ込んでいる(といっても、著者がどう思っているかはわからない。)ワケですが、本作独特の間や言い回しがハイセンス。
稲中とも違えば、デトロイトメタルシティとも違う。
金星人や河童や星や白線野郎やブラザーなシスターなど、類例のないキャラクターはかなりの萌えポイント。
なんといっても、作者が可愛いのがまた…(エロ)

河川敷に居る変な人達の方が、そこら辺で真っ当な暮らしを送っている人達より、よっぽど人間味溢れる生活をしていたりします。
それに、何となくですが、社会から少し外れて生きていくのって憧れたりもします。
もしかすると、著者は、「家なんて無くても、いつも心は温かい。心の持ちようで楽しく生きていける。」と伝えたいのかもしれません。
「今の世の中に対するアンチテーゼ&アイロニー」とか深読み全開で終わりにしておきます。(笑)





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方舟
[No.145] 2008-10-02 Thu 03:03
方舟』 評価:★★★★★

著者:しりあがり寿

しりあがり寿氏の著作の中でも最高傑作の呼び声高い名著です。
氏は画がとても独特(一見、乱雑に見えます。しかし、手塚治虫曰く「実は、この人は絵がもの凄く上手い」のだそうです。)なので、「素人4コマ漫画!?」とか思ってしまいますが、作品はその多くが非常に哲学的でとても重厚なのです。

ある日、降り出した雨。
最初は「鬱陶しい」ぐらいのものでしかなかったが、数週間過ぎても一向に止む気配を見せない。
おもしろ主義な人々は、この奇妙な長雨さえもワイドショーのネタにしてしまうが、雨はまるで作業のように少しずつ世界を水没させていくのだった。

こんなお話です。
作品は全般的に静的で、老若男女・貧富の差を問わず、万人に平等に訪れる滅びを描き出します。
よって、終始美しいぐらいの絶望しか存在しません。
登場人物達の多くは雨が止むことを期待しますが、やがて回避できない死を感じ取り、受け入れる者も現れ始めます。
同時に、生き残ろうとあがく者達も現れますが、逃げ場などありません。
我々は辛い時、「きっとなんとかなる」や「数年後には笑い話になる」などと考え、局面を乗り越えようとしますが、本作は「どうにもならない」、「笑い話をする世界すらも残らない」状況で、平等に死を突きつけられた人々が描かれるのです。

そして、雨は人間という汚れを洗い流し、地球は美しい姿に戻ったのでした。

めでたしめでたし。





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ファイブスター物語
[No.109] 2008-01-18 Fri 00:51
ファイブスター物語(The Five Star Stories)』 評価:★★★★★

著者:永野護

これはおもしろい。
秀逸なSF作品として、ファンからは絶大な支持を受けている作品です。
超人的な力を持ち、モーターヘッド(戦闘用の人型マシン。非常に重厚で精密な雰囲気が漂う。『MH』と略される。)のパイロットとなり戦乱に身を投じる騎士『ヘッドライナー』と、MHとヘッドライナーを仲介するために高い演算能力を付与された人造人間『ファティマ』を中心として展開される稀有で壮大な物語です。(ちなみにファティマには女性タイプが多い。これは、人が命を宿す時、基本的には全て女性として形作られる(人間は、母体でまず女性として形成まれ、男性になる場合は遺伝子中のY染色体が号令を出す。)からであって、変な趣味ではないと思われます。(笑))

物語の中心となるのは、ジョーカー星団と呼ばれる恒星系に存在する惑星デルタ・ベルンを統治する『アマテラス』と、彼のファティマ『ラキシス』。
彼らを中心(壮大な叙事詩であるため、全く登場しない回も多いのですが。)として戦乱が繰り広げられます。
様々なヘッドライナー達個々人のストーリーも折り込まれるため、時々、なんのこっちゃわからなくなりますが、頻繁に描かれる彼らとファティマとの関係性は秀逸です。
人間(超人)であるヘッドライナーと、人造人間であるファティマとの間に生まれる愛情や尊敬、友情などが混ざり合った複雑な感情。
頭脳明晰で、凄まじい美貌と超人的な身体能力まで持ち合わせ、尚且つ、主に忠実なファティマをやっかむ人間の女性も多いようですが、ヘッドライナーは無条件の信頼と親愛を寄せるファティマにノックアウトし易いようです。(『ブルーノ・カンツィアン』というヘッドライナーは、パートナーのファティマ『パラーシャ』に向って、「オレもお前たちの魔性につかまったか…」と言っている。)
ファティマのことを考えて独り身で居続けるヘッドライナーも多い様ですが、遺伝的にその能力を引き継ぐ彼らは、生殖能力を持たないファティマを愛することで、やがてその絶対数を減らしていくであろうという何とも言えない結末が予測できてしまいます。
全体的に『繁栄著しい世界が衰退していく物語』と捉えて問題ないでしょう。

なお、永野護氏の作画は非常に独特(線が細く、何やら艶かしい。)なので、登場するマシンまで重厚かつ、艶かしいです。(ちなみに同氏はエルガイムのデザインで有名。)
レッドミラージュジュノーン…カッコ良いですね。




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伊藤潤二恐怖博物館
[No.68] 2007-08-13 Mon 01:17
伊藤潤二恐怖博物館(全10巻)』 評価:★★★★★

著者:伊藤潤二

伊藤潤二ファンならこれを読まずして「ファンとは何をかいわんや」でございます。
あの『富江』や『案山子』といった伊藤潤二作品の代表作が詰め込まれており、氏の特徴が最も如実に現われている作品群です。

タイトルが『恐怖博物館』だけに「やっぱりホラー作品なんだ」と思ってしまうのですが、以前にも過去記事で書いたとおり伊藤氏の作品はブラックユーモアです。
代表作『富江』などは非常にわかりやすく、「接触すると男であれば必ず虜になってしまい、バラバラにして殺したくなるほど魅力的な女。しかも不死身。」なんてブラックユーモア以外の何ものでもないでしょう?
この異様な女性を主役とした作品は、何度かに渡って続編が描かれる長編作品なのですが、氏の作品はブラックユーモアを根底としているため最終的には漫才などで言うある種の『オチ』的な要素が重要となっており、どちらかというと長編よりも短編作品の方がしっくりきます。
と言いつつも、同じく長編とまではいかないのですが、長編物である『辻占』という作品は私の中でかなりトップクラスなんですけど…。

もちろん伊藤氏オリジナルの作品集なのですが、後半ではイギリスの小説家メアリー・シェリー原作のあの『フランケンシュタイン』にも挑戦されているので、これまた必見です。
独特の美しい線で描かれるフランケンシュタインもなかなか良いですよ。

というわけで、伊藤潤二の要素が詰め込まれているこの作品集はオススメです。
特に伊藤潤二作品に興味があるという未読者の方であれば、この作品集からご覧になるのが良いのではないかと思います。
その後に『ギョ』などのわけのわからない作品に進みましょう。(笑)

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ドロヘドロ
[No.63] 2007-07-26 Thu 20:53
ドロヘドロ』 評価:★★★★★

著者:林田球

わかる人にはわかる、わからない人にはわからない一文でこの作品を表現すると、

『魔法とワニと餃子の物語』

以上です。
これだけです。
むしろこれ以上内容に関しては説明文を書かない方が、この作品の良さを表現できるかもしれません。
色んな要素が一本に繋がっていく形で本筋のストーリーが存在するので、統一感がないことはないのですが、この作品のおもしろさは、その本筋のストーリーとは別の部分で展開される『遊び』の部分です。
『本筋ではないけれども、全体の一部として作品の世界観を補完する設定』というものが、私にとって心躍るものとなります。
ただ単に私がゾンビ好きというだけかもしれませんが…。(笑)

初期の殺伐とした絵のタッチとそこから来る世界観は特に素晴らしく怪しい。
最近は若干、絵がポップになってきたので「うーん」という感じですが、世界観の独特さは変わりません。
著者は女性ですが、はっきり言って「本当に女性が描いているのだろうか」と思ってしまいます。
ただ、女性的視野の広さ(細かいところに目が届く)があり、登場する中心的キャラクター達もどことなく大らかさを感じます。
著者自信が自分の作り上げたキャラクター達を愛しているんだろうなぁというのが私の感想です。

この『ドロヘドロ』に関しては、ここ最近になって、やっと本作を取り上げたホームページやブログが増え始めたように感じます。
私が始めてwebで検索してみた時は、まだ一巻しか発売されていなかったためか、いくつかのサイトがチラホラ存在するだけでした。
やっと知名度が出始めたのか…嬉しい限りです。
良い作品は沢山の人に触れてもらいたいものです。

変わった漫画を読みたい!と思ったときにはオススメの作品です。

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うしおととら
[No.62] 2007-07-26 Thu 20:52
うしおととら』 評価:★★★★★

著者:藤田和日郎

果たして説明が必要でしょうか?
早く本題に入りたいので、極簡単説明で失礼します。

お寺の息子さん(息子さんの名前は『蒼月潮』。中学生。)が、自宅の蔵に地下があることを発見。
そこには肩に槍が刺さり、そのまま岩(壁?)に縫い止められたバケモノさんが!?
(バケモノさんの名前は『長飛丸』。黄金の鬣を持ち、身体に黒い模様があることから、通称『とら』。『字伏』とも呼ばれています。)
その槍『獣の槍』を抜いてしまった潮と解き放たれたとらのヘンテコ友情化物退治のお話。

以上です。

おもしろい…。めちゃくちゃ好きです。
初めて読んだのは中学生の頃。
そして初めて漫画で泣かされたのもこの作品。
熱い!この男の子心をくすぐる熱さはなんだ!?

本当に恥ずかしくなるぐらい青臭い主人公を中心にストーリーが展開されるに、読み終わるととても清々しい気持ちになるという癒し系ならぬ、清涼系ストーリー。
世の中、潮さんの様な人ばかりだったら暑苦しくもなんて気持ちの良い世界だろうか。
他人のために何かをするということをこんなに嫌味もなくやってのけてしまう潮さんは、とても中学生とは思えない様な真っ直ぐで動じない心を持っています。
何も知らない無知であるが故の強さではなく、全て知った上でも尚も戦おうとするその強さは、大人でも感動を誘います。
去年のことですが、今更ながら文庫版を買いなおしてしまいました。(中学生当時に買い揃えた単行本は捨てられてしまったのです…。)
名作はいつまでたっても色褪せることはないというのはまさしくこのことです。

また、著者・藤田和日郎氏の作画は、美しい線ではなく、まるで殴り描いたかの様な力強い絵で、潮さんの性格が漫画全体に滲み出したかの様です。
著者もかなり熱い人なのですね。
白面さんという大妖を打ち滅ぼすという最大の目標のため潮さんの旅が始まっていくのですが、その過程において様々なイベントが発生します。
藤田氏はその一つ一つのストーリーにも出し惜しみすることなく、己の魂を注ぎ込んで描き上げているように感じます。
余計なお世話ですが『藤田さん、残りの寿命は大丈夫だろうか』と心配してしまいますね。

著者の『からくりサーカス』も人気の様子。
情熱は簡単には枯渇しないんですねぇ。

『もう…食ったさ…ハラァ…いっぱいだ』…(涙)

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鉄コン筋クリート
[No.60] 2007-07-26 Thu 20:46
鉄コン筋クリート』 評価:★★★★★

著者:松本大洋

衝撃の出会いでしたね~。
混沌とした街『宝町』で逞しくも野良猫の様に生きる、純粋で暴力的な『クロ』と、無垢で神秘的な『シロ』のチビッ子コンビを描いた作品です。
クロとシロという主人公から海外では『BLACK&WHITE』のタイトルで販売されているようで、彼ら二人は私の携帯の待ち受け画面になっていたりもします。

チビッ子コンビは、一部の良き理解者を除けば親も仲間もなく、彼らが自己のテリトリーと主張する宝町でカツアゲやスリ・強盗などを行いながら生活しています。
しかしながら、そこいらのチンピラと違っていて、お互いが補完しあって生きているような純粋さがあります。
クロはシロが居なければ舵を失い、シロはクロが居なければ過酷な宝町では生きていけません。
著者は、そんな彼らが命がけで逞しく生きていく姿を、人の心に潜む闇と共に描いています。

脇を固めるキャラクター達がまた魅力的で、
通称『ネズミ』と呼ばれる占い大好きの筋者『鈴木』
鈴木の舎弟で血気盛んなヤクザ『木村』
ぶっきらぼうでも根は優しいベテラン刑事『藤村』
銃を撃ちたいというだけでキャリアではなく現場の刑事になった『沢田』
反社会的な組織に属し捻じ曲がった性格で宝町に悪意を持ち込んだ『蛇』
…とクセのある登場人物で溢れかえっています。

ちなみに『ネズミ』こと鈴木氏がカッコイイことカッコイイこと。

「女房、子供は大切にな。大事な事なんだよ。」

今から殺される男が自分を殺そうとしている男に向かって発した言葉です。
これはすごいセリフでした。

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カムイ伝
[No.59] 2007-07-26 Thu 20:45
カムイ伝』 評価:★★★★★

著者:白土三平

言わずと知れた階級闘争歴史巨編です。
なんと現時点においても未完というすさまじい作品です。
基本的に徳川の治世に非人として産まれたカムイを主人公としているのですが、いつのころからか正助という下人が実質的な主人公と化しています。

徳川の治世、主人公『カムイ』は非人という最下級の身分を嫌がり、「強くなれば運命を変えられる」と信じ、忍の世界に足を踏み入れます。
ここからストーリーが始まるのですが、単にストーリーを要約しようとしても、この時代の多くの人々の生き様を、最下層の人間の視点から、農民の視点から、武士の視点、商人の視点から、忍の視点から…と封建的社会における人間ドラマを様々な角度から展開しているので、とにかく読んでみてくれとしか言えません。
すごいです。

また、色んな意味で「すごい」作品で、物語の開始後しばらくするといきなり主人公が死にます。
当然、「ぇ゛え゛!?」となってしまうのですが、カムイは双子らしく、兄が主人公という役割を引き継ぐことになります。
その後も、とんでもない戦いもあれば、徳川体制をひっくり返す真実や、抑圧される人々の死に物狂いの生き様など、本当に深いです。
しっかりと男の子心をくすぐってくれる演出もあります。
本作を読んだことがなくても『飯綱落し』(いづなおとし)や『変移抜刀霞斬り』(へんいばっとうかすみぎり)という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
技名だけが一人歩きするぐらい有名なのですが、どちらも忍となったカムイの得意技なのです。
これら忍術を駆使した一風変わった死闘も見物です。

そして最も賞賛されるべきこと。
それは、本作が日本において禁忌とされている部落問題に真っ向から向かい合ったことです。
部落史の教材にすら使えそうな予感ですね。
大学の授業に出席もせずに『破戒』を読んだり、図書館で部落史を勉強しまくった頃が懐かしいですなぁ。

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